【三つ子妊娠出産体験記】自宅安静指示と、TTTS発症
今回は第四回。自宅安静指示と、TTTS発症についてです。
↓前回の話はこちら
シロッカー手術後、実家へ帰宅
シロッカー手術が終わり「上の子も寂しいでしょうし…」と1日早めに退院させてもらい、実家に帰りました。
長男とゆっくり過ごせるのがとても嬉しかったです。
術後なので、自宅に帰宅してからも「病院と同じように安静に」という指示が出ていたので出歩かずに過ごしました。
自分の実家だけど…実家疲れ…
この時の安静度はそこまで高くなく、退院翌日は入院と同じようにベット上安静。翌日からはたくさん歩いたり、立ち仕事を続けないように…というくらいでした。
自分の実家で過ごしていましたが、両親の長男への接し方が気になったり、自分がいることで迷惑をかけていることへの負い目(自分と長男の分の家事が増え、両親が本来のんびり過ごせる時間も奪ってしまっていた)、また、自分のペースで過ごせないことも(食事やお風呂の時間など)…ちょっとした不安・不満が積み重なり実家疲れしてしまい、「自宅に帰りたいな〜」と度々思っていました。
今振り返れば、マタニティーブルーでセンシティブになっていた部分もあると思います。
妊娠18週4日 シロッカー手術入院後の検診
15w6d | 18w4d | |
---|---|---|
Aちゃん | 119g | 280g(+161) |
Bちゃん | 109g | 211g(+102) |
Cちゃん | 45g | 111g(+66) |
Cちゃんの羊水は相変わらず、ほとんどない状態。
さらに、ここへきてA・Bちゃんの差がグッと広がりました。
「血流の流れは悪くないけど…ちょっとA・Bちゃんの差も気になるね。一週間後またみせにきてもらってもいい?」といわれ、一週間後に再受診することに。
「もう、週1検診か…」と残念に思ったのも束の間、翌日お腹が張る感じがあり、自主安静。
不安で、次の検診までが長く感じました。
落ち着いてからは、毎日一度だけ長男とのんびり近くの公園に行って、座って見守り、実家での家事は洗濯物や座ってできることのみ。掃除機をかけたり、買い出し等…は親に甘えて過ごしました。
お腹の中の三つ子たちのことが気がかりでしたが、何もできることがなく「次回はきっと状況が良くなってる!」と思い込むようにして過ごしました。
妊娠19週4日 自宅安静指示
18w4d | 19w4d | |
---|---|---|
Aちゃん | 280g | 365g(+85) |
Bちゃん | 211g | 263g(+52) |
Cちゃん | 111g | 168g(+57) |
一週間後の検診でも、Cちゃんの羊水はほとんどなく、A・Bちゃんの羊水・体重差が開いてしまい、ついに自宅安静指示が出されました。
この時指示された、安静度は下記の通りでした。
- 基本ベット上安静
- 座るのもなるべく控えて、横になっているように
- トイレ・お風呂は可
- 自宅安静が難しいようだと、管理入院になる。
「上の子もいるし、自分のメンタルヘルスのためにも少しでも自宅に居られる方が良いと思うので、自宅安静できるように務めて」とアドバイスを受ける
それまで1日に1回だけ行っていた散歩にも行けなくなり、遊びたい盛りの長男にとても申し訳なかったです。
親戚に近況を伝えると、時間を見つけては長男と遊びに来てくれるようになり、その気づかいや、何より楽しそうな長男の姿に癒やされました。
妊娠20週4日 TTTSかも
19w4d | 20w4d | |
---|---|---|
Aちゃん | 365g | 477g(+112) |
Bちゃん | 263g | 302g(+39) |
Cちゃん | 168g | 212g(+44) |
期待とは裏腹に状況は好転せず、いよいよ主治医から「TTTSかも?」という話をされました。
↓TTTSについてはこちら
この頃の羊水差は5cm:3cm程度だったと思うのですが(メモがなくうろ覚えです)。エコーで見る限り、BちゃんもCちゃんのように羊膜がぴったりしている部分があり、凄く窮屈そうに見えました。
『TTTSの治療にはFLP手術という選択肢がある』と知っていたので、「FLP手術できますか?」主治医に聞くと「うちの病院ではFLP手術はできないし、三つ子はFLP手術ができない。(双子まで)」と言われました。しかし、当時検索魔になっていた私は三つ子でFLP手術を受けた方の体験記を読んでいたので「手術された方がいると聞いています」と伝えると、近くのFLP手術のできる病院に問い合わせてくれることになりました。
↓現在タタイマムでは三つ子のFLP手術経験談もご紹介しています
↓MD双胎のFLP経験談はこちら
また、手術ができるにしろTTTSは羊水差が8cm以上2cm以下と定義されており、そうなった場合に手術対象になるとのこと。まだ、適応になる程羊水差は開いていないので、また一週間様子を見ることになりました。
家でも両親や親戚に頼り、長男にも我慢をさせて、こんなに人に迷惑をかけてゴロゴロ過ごしているのに……状況が改善するどころか、どんどん悪くなっていくことが辛かったです。
(でも今振り返れば、この時ちゃんと安静にしてたらかこれくらいの進捗で済んだのかもとも思っています)
妊娠21週5日 次回FLP手術のできる病院に転院することに
20w4d | 21w5d | |
---|---|---|
Aちゃん | 477g | 598g(+121) |
Bちゃん | 302g | 407g(+105) |
Cちゃん | 212g | 248g(+36) |
Cちゃんの状況に変わりなく、A・Bちゃんの羊水差は8cm:2cmのTTTSの認定ラインに。
前回伝えたことをちゃんと確認してくれて「三つ子ちゃんでもFLP手術できるみたいです。(もちろん、本当に可能かどうかは妊婦さんにより異なるので事前検査が必須)紹介状書きましょう」ということになりました。
FLP血液凝固術
とにかく、どんどん悪くなる状況を食い止めたくて、一刻もはやく手術を受けたい気持ちでしたが、当然手術にもリスクがあり、早産を助長してしまう可能性もあるとのこと。
この時A・Bちゃんが500g前後のサイズで、胎外生活も望みがあるようでしたが、250gにも満たないCちゃんが今生まれた場合の生存は、かなり難しいようでした。
Cちゃんと、A・Bちゃんの命を天秤にかけているような気がして、とても辛かったです。
ちょうど年末だったので、年明けの最初の営業日に、再度受診+紹介状を受け取って、FLP手術が可能な病院に転院することになりました。
この時までに少しでもそれぞれが大きく育つように願うばかりでした。
不安過ぎた 年末年始
年末年始は、心配で心配で、ほぼほぼ泣いていました。
「三つ子を授かったけど双子かも」と言われていた妊娠発覚時からさらに「授かった3人、全員を産めないかもしれない」という思いが現実味を増してきて、とても辛かったです。
三つ子妊娠公表されていた…精神的苦痛
とにかく不安な年末でしたが、無事に年が明けました。
仲良くしてくれていた近所の方や友だちからも年賀状が届きました。
それをみてビックリ。
「三つ子ちゃんだと聞いたよ、頑張ってね!」
「三つ子ちゃん!?大変だけど楽しみだね!」
「あなたなら、三つ子育児も楽しんでできそうだよね!」
といったメッセージがずらり。
妊娠初期から経過が悪く「三つ子を三つ子として産んであげられないかも…」という不安が常にあり、三つ子を妊娠していることは公表しておらず、仲良くしていた友人にも「妊娠したけれど、経過が悪くて実家で自宅安静中」とだけ伝えていました。
たった一人でも産まれてきてくれたら「残念だったね」ではなく、心から「おめでとう!」と言って欲しかったし、それを目標に頑張っていたので、とても裏切られた気持ちになりました。
まして、1人は初期から羊水がほとんどなく、2人もTTTS。
3人みんな産めるかどうか…こんなに不安で押しつぶされそうなのに…。
近所の友人にリークしたのは、もちろん夫でした。
夫に「『妻は妊娠中だけど経過が悪くて、病院の指示で実家で自宅安静してる。』じゃダメなの?実際そうだよね?」と言うと「(妻と長男が長い間帰ってこない)俺の身になれ」と一言。
「私の身になれ」と言い返す気力もないほど脱力してしまいました。
押しつぶされそうな不安な気持ちや、他人に迷惑をかけてまで安静にしていても成果がでない…とてもやりきれない気持ちを一番わかって欲しかった相手の、突き放すような一言に、孤独感は一層強くなりました・
もしこれを読んでいる多胎妊婦さんのご親族の方がいれば、多胎妊娠の公表については、ぜひ家族会議を開き、母体のメンタルヘルスを大切にする選択肢を選ぶことを強くオススメします…!!
安産祈願へ
年末年始は、夫が長男を連れて先輩の家に遊びにつれてってくれました。近くに安産祈願の神社があると聞いて長男とお参りに行ってくれました。長男が両手を合わせて目をつむりお祈りしている写真を見てジーンときました。
23週4日 なんと羊水差が改善!
年始最初の検診。紹介状を書いてもらい、FLP手術のできる病院に転院するつもりで受診しました。
なんと!ここへきて、A・Bちゃんの羊水差が6.8cm:6cmとほとんど心配のないレベルに!
さらに、初期から羊水がほとんど無かったCちゃんの羊水も1.9cmに!
医学的に改善した理由はわかりませんでしたが、とにもかくにも、やっと状況が好転してとても嬉しかったです。
安産祈願が良かったかな?
年末年始に運ばれないように、いつもよりゴロゴロ過ごしたのが良かったかも!?
…と色々と考えましたが
なんとなく、Cちゃんが、A・Bちゃんの危機を知って「私は大丈夫だから、安心して手術受けてね」と伝えてるように感じて、それにA・Bちゃんも応えてくれたのかな…と考えるのが一番しっくりきました。
〝三つ子の絆〟がお互いを支えているように感じたのです。
長男の保育問題
状況は好転したものの、安静度は変わらず、実家にて自宅安静していました。
年始に落ち込んだときに、夫と、今の状況や気持ちについて共有不足だったと感じ、長男を実家でなく自宅で夫が保育できるようにと考えはじめました。
その方が夫の疎外感や、無関心を防げると思い、お互いに保育園や育休について調べたり、考えたりしましたが、結局どれも叶いませんでした。
特に難航したのが、長男の保育について。
夫が土日出勤の仕事で、当時住んでいた地域に日曜保育を行っているところが一つもなかったのです。
認可の保育園は空きがなく、選択肢は新設の小さな認可外保育園のみ。給食もなく、お弁当持参で、預かり時間も短く、夫の仕事との両立は厳しく、やはり「実家でみてもらうのがいいよね」ということになりました。
今ではやっぱり「このときに夫に育休を取ってもらっておけば良かった」と思っています。
とはいえ、急には取得できませんし、三つ子が産まれた後の育児も想像できず「育休取るなら三つ子出産後にした方がいいのか!?」と考えたり、いまいち一歩を踏み出せませんでした。
2学年に凝縮する子4人を育て上げるための、経済的な不安もあり、働ける時に働いておかないと…という気持ちもありました。
もっと早くから、行動していればもっと色んな方法を探れたかな…と感じています。
次回は緊急入院〜出産までを更新予定です。
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