連載「イライラママを卒業したい!セーブ・ザ・チルドレンからの処方箋」より、10〜13歳の子どもの考え方・感じ方をピックアップしてお伝えします。
この時期の子どもの考え方や感じ方、そしてこの時期の親の困り事をを理解することで、イライラせずに課題を解決することを目指す記事です。
10〜13歳の子どもの特徴
子どもは思春期を迎えようとしています。
親よりも「仲間に受け入れられたい」と感じる時期で、家庭内に衝突が起きがちな時期です。
この時期に衝突しやすい理由
- 子どもは親からもっと自立したがります。
でも親は子どもが意思決定をするのに必要な知識や技術をまだ十分に身につけていないと気がかりです。 - 体に大きな変化が起きているせいで、心が不安定になります。
快活だった子も突然無愛想になることがあるかもしれません。 - 親に反対されても、仲間と同じことをやりたがります。
- 親と自分の考えが違うと悟りはじめます。
自分の信じることを見定め、自分がどういう人間なのかを考えはじめます。 - 親が子を心配になる時期。
身の安全や健康を案じ、親が自分の無力さを感じる時期です。
子どもの自立心と、親の子を守る気持ちが家庭内の衝突になってしまうことも。
この段階の子育ての大きな難題は「お子様の自立心の高まりを尊重しつつ、お子様の身の安全を守る」ことです。
子どもの安全を守る方法
- 一緒に時間を過ごす
家族でいろんなことをしましょう。子どもの友だちについて話をしたり、心配事や悩み事に耳を傾けましょう。
子どもが成し遂げたことをほめ、今後子どもが直面するかもしれない試練についてはなし、その時は自分が手助けすると伝えましょう。
子どもには本当のことを正直に話し、愛情を込めて接し、子どもの行動の背後にある気持ちの理解に努めましょう。 - 子どもの自己肯定感を育む
お子様が自分という人間を知る。そして好きになる手助けをしましょう。
自分の能力を信じられるように働きかけ、長所や個性を理解する手助けをしましょう。 - 学校と関わる
学校行事には出席し、先生に認識してもらい、子どもの学習や読んでいる本に興味をもったりしましょう。 - 子どもの友だちを知る
自宅で遊ばせたり、友だちの家族と知り合いになり、子どもと友だちと一緒に行事に参加しましょう。 - 子どもに寄り添い、そばにいましょう。
ーーただし、距離はとること。
子どもが誰とどこにいるか把握しましょう。ただし、子どもは自立とプライバシーを強く求めるようになっているので、それは尊重しましょう。子どもへの信頼感を示しましょう。
お子様の自立を応援する方法
- 子ども自身が善悪の判断ができるよう手助けをする
危険なことについて子どもとはなし、なぜ避けるべきか理由を説明しましょう。
あなたの価値観について語り合い、お子様の価値観を聴きましょう。
思春期に経験するはずの心身の変化や、これから出会うかもしれない悪い圧力について話しましょう。
仲間からの圧力に晒されても大丈夫だと思えるよう、前もって対処法を考える手助けをしましょう。
仲間からの圧力に備え、お子様自身が実際にできる抵抗の方法を見つける手助けをしましょう。 - 仲間からの圧力
この時期のお子様にとって、友だちを失うことは人生の中で最も悪いことのように感じ、友だちからの圧力が大きく影響します。友だちを失いたくないがために、悪いことを一緒にしてしまう等の悪影響を受ける場合もあります。 - 責任感を育み、自分は能力があると思えるような手助けをする
家事の手伝いをできるように気を配る。
お金のことや賢い使い方について話しておく。
家族のルールを作ったり、家族に期待することを決めたりする時に、お子様の参加を促しましょう。 - 他の人への共感や尊重の精神を育む
困っている人の手助けをするよう促し、意地悪をされた時にどうすべきかについて話し合いましょう。 - 将来について考える手助けをする
自分自身の目標を設定する手助けをしましょう。
大きくなったら身につけたい技術や知識について話し合いましょう。
夢、どんな人生にしたいかというビジョンを持つように働きかけましょう。
目標を達成する方法を探す手伝いをしましょう
この時期の育児の困りごと
家庭内で衝突しやすい時期で、親が無力感を感じる時期です。中でも「仲間からの圧力」は子どもに多大なる影響力を持ち、子どもを問題に巻き込む場合もあります。
これまであなたが積み上げてきた全てが、この時期に最も重要な役割を果たします。
小さい頃に「親は信頼できる存在だ」と学んだ子どもは、この段階でのアドバイスに耳を傾ける可能性が高くなります。
小さい頃に親から自立を後押ししてもらった子どもは、この段階で友だちから悪い影響を受けにくくなります。
小さい頃に自分の気持ちを尊重してもらった子どもは、この段階で不安や心配ごとを親に打ち明ける可能性が高くなります。
小さい頃に親から自信を育んでもらった子どもは、この段階で自分を信じることができるようになります。
親に支えられ、導かれてきた子どもは、この段階で問題が発生する前に親に相談する可能性が高くなります。
これまで築いてきた関係が、思春期以降も子どもにとって心の拠り所になるはずです。
この時期のイライラを解消しよう!
子どもが「汚い言葉」をたくさん知っている子どもとお友だちになりました。ある日、同じように「汚い言葉」を我が子が使っているのを聞いてしまいました。「うちの子が、なんでこんなことを…」と動揺し、これまで教えてきたことが全て水の泡になったように感じ、今すぐ我が子の交友関係を遮断したくほど、イライラしてしまうことがあるかもしれません。
そんな時はこの時期の発達段階を思い出してみましょう。
この時期は「仲間からの圧力」がお子様にとって、とても重要な時期です。友だちを失うことに過敏になっています。それを理解していれば…
友だちと同じ言葉使いをしてしまった理由を考え、子どもの行動に理解をしめすことができるでしょう。
そのような言葉使いをしないと仲間外れにされてしまうかもという危機感もあったかもしれません。
さらに、善悪の区別について子どもと一緒に語り合い、仲間外れにされてしまうプレッシャーに抵抗する手段を考えたり、行動を改めるきっかけと捉えることができるでしょう。
子どもが怒っている時
この時期の子どもが怒っている時。対応の仕方はイヤイヤ期の頃とかわりません。
感情の嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。
子どもは自分が安全であり、愛されていると知る必要があります。ただ、近くにいて、必要ならここにいるよと行動を通じてお子様に伝えることです。
感情の嵐が過ぎ去った時に、何が起きたか?話を聞いたり、感情表現の仕方や、問題の解決方法について教えたり、語り合うことができるでしょう。
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