羊水過少×TTTS【三つ子妊娠出産体験記】
二絨毛膜三羊膜品胎の妊娠出産体験記です。
今回は第二回。
“三つ子”を受け入れ、三人産む決意をしてからのお話です。
↓前回のお話はこちら
三人産む気で周産期センターへ!
妊娠4ヶ月。12週2日。4回目の産婦人科受診。
“三つ子妊娠”という事実をようやく受け止めて、お腹に居る3人の子どもたちへの愛情をしっかり確認できた時でした。
先生とも、3人産む気で転院することで合意し、周産期医療センターである県内子ども病院への紹介状を書いてもらうことに。
その病院は、自宅からも実家からも遠かったのですが、県内随一の子ども病院で、何より仲の良い知人が働いていたことが決め手でした。
その知人との職場の話で、関わっている人たち全員のプロ意識高く、日々全力でお仕事されていること知っていたので「自分の子がNICUにお世話になるなら、絶対ココ!」と即決でした。
先生も「そこなら安心だね」と快諾。
ロビーで紹介状ができあがるのを待っている間、長男の出産の時を思い出しました。
(地元じゃ有名な、ちょっぴり贅沢な産院に通っていました)
毎食シェフの作る、味だけじゃなくて目にも美味しいお食事…♡
おやつもあって…♡
ああ、ガトーショコラ美味しかったなぁ~♡
ふと、受付下の張り紙に目が止まる。
『2人目5万円引、3人目10万円引、4人目15万円引』
あの、夢のような産後の数日を15万円引で過ごせたかもしれないと思うと、惜しい気持ちに…。
もらえなかった母子手帳
三人産む決心はしたものの、今回も「Cちゃんの母子手帳をとってきて」とは言ってもらえませんでした。
まだまだ平均よりも小さいし、お墨付きは得られないんだろうな…と切ない気持ちに。
今回の妊娠・出産ではこういった白黒ハッキリせずモヤモヤする気持ち、頑張ってもどうにもできないことへの葛藤が本当に多かったです。
子ども病院に初受診!
1週間後、周産期医療センターである県立こども病院を初受診。
県内随一のこども病院だけあって子どもがいっぱい!院内の内装や掲示物もとても、かわいらしく愛で溢れていました!
ここの産科に通っている人の大半は私のような訳あり妊婦さん。
一人一人の診察時間も長くて予想はしてたけど、凄く待ちました。
自分の番になり、早速診察。
これまでの診察の経過について紹介状を見ながら一緒に確認して、エコー検査へ。
検査は、いつもの白黒エコーだけじゃなくて、カラードップラー(血流を見るもの)もやりました。
長男の時は1回しかやらなかった、カラードップラーの検査。三つ子妊娠中は、毎回やることになります。
診察結果
3人とも、それぞれのペースで大きくなっていて、羊水の量の差もほとんどなし。
Cちゃんの胎盤の、臍帯の位置が真ん中ではないように見えるけど、血流の差もなく、みんな良いとのこと。
(胎盤の真ん中に臍帯がついているのが正常だけれど、位置がズレることもあって、多胎妊娠の人に多いらしい。
このことで何の影響もない場合もあれば、大問題になる場合もある。今の時点でわからない)
「Cちゃんについて懸念されていたようだけれど、十分頑張れる子だと思いますよ。もう1冊、母子手帳もらってきて下さいね」
と言われ、涙が溢れそうなくらい嬉しい気持ちになりました。
今回の妊娠が発覚してから初めて、3人全員の経過に「いいでしょう!100点!」と言ってもらえたような気がして、すごく前向きになれました!
診察の後は、更に詳しく多胎妊娠についての説明を受けました。
前の産院で聞いた話に加え「双胎間輸血症候群(そうたいかんゆけつしょうこうぐん)」という胎盤を共有する子どもたちにしか起こらない、病気の説明をされました。
私の場合はAちゃんとBちゃんがこれに該当します。
↓双胎間輸血症候群についてはこちら
今まではCちゃんの成長が気がかりでしたが、TTTSの話を聞き「AちゃんBちゃんの状況もちゃんと見ていかないと~」とぼんやり思っていました。
シロッカー手術はしない
前の産院で言われていた、子宮口を縛る手術(シロッカー手術)は「あんまり意味がないというエビデンスがあるので、うちではやってません。でも、子宮口の開き具合は注視していくし、多胎妊娠の場合は開き易いので時期が来たら管理入院してもらうことになる。」と説明されました。
産院によって考え方は異なるようです。
そして最後に「産科は通いやすさが1番ですよ」という話をされました。
「通いやすさが一番!」
- 妊娠中も単胎の時のようには動けないから、少しでも楽に通えた方が良い
- 3人が全員ここのNICUに入れるとは限らない。
ここはNICUは全国的にも有名で、県外からも赤ちゃんが運ばれてくるようなところでした。 - 入れたとして、全員の退院日が一緒になるとも限らない。
退院日が別になった場合先に退院した子たちを預けて、毎日母乳を届けてもらうことになる。
…だいたいこんなようなことを説明されて、実家の近くに、信頼できるNICUのある大学病院があると教えてもらいました。
次回までに改めて転院するかどうか、検討することに。
再診は2週間後に予約をしました。
再び産院選び
再び、振り出しに戻った産院選び。
「我が子がNICUに入るなら、ココしかない!」と盲目になっていたし、「私が産前産後に通う分にはどうにかなる」と楽観的に考えていましたが、先生の話を聞きながら、通いやすさも大事だと納得。
子ども病院までは、家からいくらスムーズに電車やバスを乗り継いだとしても、片道1時間半かかり、往復3時間。
例えば三つ子のうち2人が先に退院できたとして
新生児2人と、やんちゃ盛りの長男(当時2才)を毎日4・5時間。もしくはそれ以上長い時間を誰かに預けることになります。
授乳間隔もまだまだ短い頃だろうし…
預けられた方も、想像に容易くハードだよなぁ〜…。
NICU退院したてホヤホヤの新生児を預かってくれる保育サービスも探してみましたが、やはり無く…。
どうしても実母に預けなきゃならないとして、1日3時間程度ならお願いできるかな…
入院中に何かあったら、子ども病院で働く友人がスグ駆けつけてくれるだろう環境も捨てがたかったのですが…長男や退院した子を見てもらうのは家族。
こちらとしても「少しでもお手伝いしてもらいやすくしたい…」と思い、最終的に実家から車で片道30分の大学病院へ転院することにしました。
この大学病院なら、実母でも運転して来れる場所で、長く管理入院することになっても、家族がお見舞いに来やすいところも決め手になりました。
緊急入院になった時の準備
妊娠14週3日。
この頃には徒歩15分程度のスーパーへの買い物だけでも、お腹が張るように。
普通の妊婦では無いのかなと少しずつわかってきたような。わかってないような…?
産後、外出できないと思い積極的に外出してしまうのは相変わらずでした。
長男を妊娠していた時よりずっと“万が一”への恐怖感が強くて(自分が三つ子を妊娠するなんて“万が一”にも思っていなかったことが現実に起きていたし、マタニティーブルーで不安な気持ちを抱きやすかったんだと思います)「今できることを」と思い、かなり早い内に、いつ入院してもいいように妊娠中の物や、産後用品を整理しました。
長男の出産の時に必要なものは一揃えしていたので、ほとんど買い足したものはありません。
3人の状況に変化が…
妊娠15週2日。子ども病院への2回目で最後の受診です。
信頼感で選んだ、とても良い病院だったけれど、産前の管理入院や産後の通いやすさを考え実家近くの大学病院に転院することを決め、1番最初にそれを伝えました。
先生も「うんうん」と話を聞いてくれ
「それが良いと思います。そこの大学病院もしっかり見てくれるので、安心して大丈夫ですよ」
と後押ししてくれました。
紹介状を書いてもらうことにして、本日の検診。
エコーをあててザッと3人の位置を確認。
あれ?ちょっと違和感。
そのあと先生がCちゃんのエコーを写してビックリ。
他の子はプカプカ浮いているのに、Cちゃんはサナギのよう。きゅーっと丸くなっていました。
…!え!
もしかして
もしかして
死んでしまうの?
サナギのようなCちゃんは、辺りが狭すぎて身動きはとれない様子でしたが、心臓がピクピク動いているのも見て取れました。
たんたんと、サイズを測ったり、カラードップラーをみていた先生に、恐る恐る
「Cちゃん、すごく狭そうに見えるんですけど…」
と聞くと。
「そうだね〜。Cちゃんの部屋だけ羊水がほとんどなくなっちゃっているね。
血流は悪くないし、苦しくはなさそうだけど…
Aちゃん・Bちゃんも羊水に差がでてきているし
大学病院は早めに受診した方が良いかもしれませんね。」
…!
Aちゃん、Bちゃんも羊水差が?!
恐れていた、双胎間輸血症候群?!
「え!この子たち大丈夫ですか?どうして羊水って少なくなっちゃうんですか?」
「3人とも血流は悪くないし、頑張っていますよ◎羊水が少なくなる原因は主に3つあって…」
- 赤ちゃん自身に問題がある
- 胎盤に問題がある
- 双胎間輸血症候群の影響
Aちゃん、Bちゃんの場合は③の可能性が高く
Cちゃんの場合は①か②のどちらか。
①赤ちゃん自身の問題だとすると消化器系に問題や染色体異常が考えられるけど、今の段階で特定できない。赤ちゃんが大きくなるにつれエコーの検査で調べられることもあるそう。
②胎盤に問題があるとすると、ある程度赤ちゃんが育ったら帝王切開で出産し、胎盤からの関与を受けない保育器の中で育てるのも1つの手。
この手段をとるのは最短でも22週以降。
「今、私にできることはありませんか?」
とすがる思いで聞きましたが
「それが、無いんです。
運動はあえてしない方が良い。
今後週数が進めば、お母さんの安静目的で、管理入院してもらうことになるが
今から安静にするより、お母さんが少しでもストレスフリーに穏やかに過ごすせることが、赤ちゃんにとっても1番良いです」
先生の応対はとても大らかで、落ち着きも、思いやりもあって
私も取り乱したり、感情的になり過ぎることもなく話を聞くことができました。
それでも1週間以内には転院先の大学病院に行った方が良いとのこと。
紹介状を受け取って帰宅しました。
“ハイリスク妊婦”である実感
グッと“ハイリスク妊娠”が現実味を帯びてきた感じがしました。
「妊娠初期 羊水過少」で調べてみると
スグに改善した子もいれば、お腹の中で亡くなってしまう子もいるとのこと…
妊娠発覚当初から「自然淘汰されるかも…」と言われていたCちゃん。
他人事とは思えず…胸が締め付けられました。
そこでも先生の言葉に救われて「お母さんがストレスフリーに穏やかに居られるのが1番」
Cちゃんの今後がどうであれ、今、一緒に居られる時間を穏やかに大切に過ごしたいと思うように。
まだまだ、耳が聞こえてないとはわかっていたけど
「今ね、お兄ちゃんとプラレールしてるよ〜」
「はやぶさと、こまちっていう新幹線が大好きなんだよ〜」
日常的なことも、お腹にたくさん話しかけてると
すごく特別な瞬間を過ごせている気がして、穏やかな気持ちになれました。
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