Dr.Tamacoに聞いた！多胎児の性教育について（前編）

「赤ちゃんってどうやってできるの？ 」
「ママと僕の身体はなぜ違うの？」
と子どもに聞かれたとき、なんと答えますか？

私たち親世代はきちんとした性教育を受けてこなかったため、回答に悩む方もきっと多いですよね。

今回は、家庭での性教育に詳しい「愛と笑いを信念とするママドクター　Dr.Tamaco」こと川島恵子先生に、多胎児の性教育について、お話を伺いました。

多胎児の中でも、男女の組み合わせ＝いわゆる「ミックス」ちゃんを育てている方、トイトレやお風呂「いつまで一緒で良いのかな？」等…特有の悩み事もありますよね。
筆者もミックス三つ子を育てる当事者の1人。ミックスならではの悩みなどもお伺いしました。

お風呂はいつまで一緒？

いつまで一緒のお風呂にはいっていいの？

Dr.Tamaco：親御さんたちには大体10歳を目安にやめてほしいと伝えてます。これは生理や精通が始まるくらいの、小学校3～4年生くらい。そこまでに幼児の性教育を一通り全部話し終えておくのが理想です。

Dr.Tamaco：例えば、お父さんが何も意識せずとも娘とお風呂に入っていて、「胸が膨らんできたな」と思うとするじゃないですか。それって純粋に子供の身体の変化を考えているだけだとしても、女性としては「胸を見られている」（視線を感じる）とか「ちょっと気持ち悪いな」と思ってしまうことに繋がることもあるんですね。
娘がそう感じて嫌な気持になったとしても「パパだから言っちゃいけないのかな」と思ったりして親子関係が微妙になるパターンもあるんです。
虐待まではいかないですけど、なんて伝えて良いかわからないので、子供自身が悩んでしまったりすることがあるんですよ。
「なんでパパの事気持ち悪いって思っちゃうんだろう」と悩んだりしても、”ママに言っちゃいけないんじゃないかな”とか、”パパに言ったら傷つくんじゃないかな？”とか子供なりに考えたりする。大人が子供のプライベートな時間や空間を大切にしてあげる姿勢を見せることが大切なので、別にする事をお勧めしています。

子ども同士で身体を触ってしまう時はどうする？

子供たちだけでお風呂に入らせるとお互いの身体に興味を持ち触ったり、触らせてしまうことがある

Dr.Tamaco：男女って体の違いが明らかにあるので、面白いんですよね。自分と違うものってみんな面白いから。
違いに気付いて純粋にそれを知りたがって見て・感じる、みたいなのを子供ってすごいするので。
「自分の体は自分だけの大切なもの、ということは人の体もその人だけの大切なもの。だから、突然体を触られたらびっくりもするし、嫌だなと思う人もいるんだよ。自分の大切にしているおもちゃやお人形さんをいきなり触ってそれをぐちゃぐちゃにされたら悲しい気持ちになるよね？それと同じなんだよ。」とお話して、お風呂は別々にする。

生理や精通が始まる頃ってマスターベーションをし始めるような頃だったりもするんですよ。特に男の子。
このぐらいの時にはお部屋も別が良いのです。（男女の場合）
女の子同士・男の子同士も別に良いんですけど、男女は別にした方が良くて。「あなただけのプライベートなお部屋では、好きなことをしていいよ。でも、みんなのいるところでは、裸でうろついたりしないでね。それを見て、嫌だなって思う人もいるかもしれないし。」

自分の大事な所を見せて歩くっていうのは、古代の人でもないし私たちは現代を生きている人なので、プライベートゾーンは見せて歩く場所じゃないんだよ、大事な所だからねっていうお話をしてあげて。

素っ裸になりたいって思った時に自分のお部屋があったら自分の部屋で出来ることだから、自分のお部屋でやりなさいって言える。

例えばマスターベーションしたいって思った時も、自分のお部屋で自分の自由な時間を過ごしなさい。そこはパパもママも立ち入らないからね、立ち入る時はノックをするからね、っていう風に話をしそのプライベートな空間っていうのを作ってあげるんですよね。

だからみんなでいる時とプライベートなところでいる時と分けてほしいっていうお話をすると自分のプライベートの場所もあるし、みんなで一緒の過ごす場所はみんなのルールがあるんだなっていうのを学んでくれるので裸でうろつくことは無くなると思うし、お部屋を別にするという意味もわかってくれるのではないかな、と思います。

ーーありがとうございます。すごく勉強になりました。
うちも上の子が9歳で早生まれなので今年10歳になる学年なんですけど、お風呂はパパと入りたい！と言って入りたがるんですよね。でも体つきもだんだん女性らしくなっているのが母親として分かるので、どうしようかなってこちらがヤキモキしてしまって。本人は入りたがっているけど母親としては止めた方がいいのかなって悩んでいます。

Dr.Tamaco：子供はまだわからないので、自分の気持ちのままに行動してしまうじゃないですか。だから、親が線引きをしてあげなきゃいけない。
親が見本を見せると子供も真似できるので、「立ち入っちゃいけないところなんだな」とか「ここからの線引きがあるんだな」っていうのを家庭内で学ぶ。家庭が小さな社会なので、外の社会に行ってもそれがわかってくれる。

家の中を裸でうろついてしまうのはどうする？

家の中を裸でうろついてしまう

ーー外ではしないけど、「家の中の自分のお部屋だったら良いよ」ということを教えてあげればいいという事でしたけども・・

Dr.Tamaco：その通りです。でも、家族全員裸族、みたいな人もいるじゃないですか。それは性教育的には良くないんですけど、身に着けていると気持ち悪い・・とかっていう方はいますよね。ただ、やっぱり社会でルールを守っていくためには家の中でもルールを守って欲しいんだよねってことはちゃんと伝えて、裸でいていいのはお風呂に入っている時だよねってお話をして、そうじゃない時は「裸で駆けずり回りたくなる時もあるけど、みんなが居るところでは自分の大事な所はちゃんとお洋服でかくしておこうねっていうのを説明してあげるのがいいと思います。

ーーそれは何歳くらいからわかるんでしょうか。

Dr.Tamaco：三歳ぐらいに言ってもちょっと伝わりにくい。だから、まずはプライベートゾーンの話をしっかりして、どうしてそこが大事で見せちゃいけないのかっていう所をきちんと話してあげると納得いってうろつかなくなってくれるんじゃないかな、と思います。

ーー大前提として、やはりプライベートゾーンの話をしっかりしておくってことが大事ですよね。

Dr.Tamaco：小さい頃からわかりやすい、1番導入しやすいのってプライベートゾーンの話なんですよ。体の部位で、頭・目・耳・腕とかを覚えるのって大体2~3歳じゃないですか。
その時にお風呂に入ってたりすると「なんでママはおちんちんがないの」とかって聞いてくるんですよね。自分との違いに気付くので。
だからプライベートゾーンを一番最初に話すっていうのは、話しやすいんですよね。
プライベートゾーンを自分のものだよっていうのをきちんと話してあげることで、なんで自分だけのもので自分が大切にしなくちゃいけないのかっていうお話をすることで、防犯にも繋がるんですよね。
小学校に上がると親がお見送りとかをしなくなるじゃないですか。
そうすると一人で家路につかなくちゃいけないタイミング（夕方など）に変な人がうろついてるんですよね。そういう人に連れていかれたり、いきなりキスをされたり、おしりを触られたり。
裸の写真を撮らせて、って言われて撮られたりとかそういうことに巻き込まれるのを防ぐことが出来るのでプライベートゾーンは一番先に教えるのが良いと思っています。

ーープライベートゾーンって、「水着で隠れるところ」のほかに「口の中も」なんて最近は言われていますよね。

Dr.Tamaco：そうですね、口も含めて四か所。ただそこは特に大事なところだから、下着で隠すところだけども、「あなたの身体全部が大事なのよ」ということは必ず伝えて下さい。
え、じゃあ頭だったらいいの？とかになっちゃうので（笑）。

ーー先生、これをタダで聞いてしまっていいの？という感じなのですが（ためになる話がありすぎて）。
きちんとまとめられるかが不安です！（笑）
性教育に悩んでるママがたくさんいて、実際うちの子供たちが通う学校でも外部講師を招いて性教育のセミナーをしたりするんですが毎回人気のセミナーだと聞いています。
子供に性教育をするきっかけとして絵本から入るママも多いのですがセミナーで紹介された絵本なども、ママ友たちがこぞって購入しているんですが、先生がおすすめの絵本や書籍はありますか？

Dr.amaco：あります！

子どもと一緒に読める性教育の絵本

だいじだいじどーこだ

およげ! ウィリー ちびっこ精子の だいぼうけん 

ぼくどこからきたの？

おかあさんとみる性の本（全三冊）

いいタッチ　わるいタッチ

おちんちんのえほん

あなたの物語（鉄拳）

次回「多胎児同士が互いの身体に興味を持ったり触ってしまう時」

中編では多胎児同士が互いの身体に興味を持ったり触ってしまう時の考え方や対応方法について詳しくお聞きしました。

今回お話をお伺いしたDr.Tamacoこと川島恵子先生のInstagramはこちらから。

文：maco