一度の妊娠で2人以上の子どもを授かる多胎妊娠をすると、よく話題に挙がるのが、一卵性か二卵性か?もしくはそれ以上か?という話です。
例えば双子の場合、一般的に
「一卵性はよく似た双子」
「二卵性は似てない双子」
と認識されていると思います。
決して間違いではありませんが、ここではもっと詳しい卵性診断を解説します。
そもそも多胎妊娠はなぜ起こる?
基本的な妊娠のメカニズム(単胎)
1つの卵子に1つの精子が受精して1つの受精卵が出来上がります。受精卵が細胞分裂を繰り返し子宮の中で一人の赤ちゃんになっていきます。これが妊娠の基本的なメカニズムです。
二卵性の場合
たまたま、この受精が2つ同時に起こり、一緒に子宮の中で大きくなり、生まれてくるのが二卵性双胎です。
同じ日に生まれた兄弟姉妹。
遺伝子は異なるので、性別や血液型なども、違う可能性があります。もちろん、同じ場合もあります。容姿も兄弟として、よく似ている場合も、似ていない場合もあります。
胎盤も2つのことが多いのですが、近い位置にあるとくっついてしまうこともあります。この場合、双胎間輸血症候群(TTTS)の心配はありません。
一卵性の場合
一卵性の場合も、受精は基本的に同じです。1つの卵子と1つの精子から受精卵が作られます。この受精卵が細胞分裂を繰り返している最中に2つに分裂したのが、一卵性の双胎です。
一卵性双胎は元をたどれば1つの受精卵で、基本的な遺伝情報は同じです。血液型、性別も同じで、容姿もうり二つです。
しかし、胎盤の数は1つであるとは限りません。分裂の時期によって1つだったり2つだったりします。
DDツインでも、瓜二つの子いるよね?
胎盤が二つあるから、必ずしも二卵性というわけではありません。一卵性でも、分裂の時期によって胎盤の数が1つだったり、2つだったりします。
一卵性では、分裂する時期により胎盤の数や膜のパターンが異なります。
- 受精後3日以内なら胎盤が2つのDD双胎(2絨毛膜2羊膜双胎)
- 4~7日ならMD双胎(1絨毛膜2羊膜双胎)
- 8~12日ならMM双胎(1絨毛膜1羊膜双胎)
一般的に、DDツイン=二卵性と思われがちですが
DDツインでも一卵性の場合があります。
一卵性でも違う、こんなところ
遺伝情報が同じ一卵性でもミラー・ツインと呼ばれ、鏡に映したように左右対称に育ち、利き手やつむじの巻き方が逆である場合があります。
これも、胎盤や膜のパターンのように、分裂する時期によって決まると考えられています。
また、遺伝情報にはオン・オフのスイッチがあることがわかっていて、一卵性でも全く同じ遺伝子配列でも、表面に現れる情報と現れない情報があることもわかっています。
三つ子以上の場合
みつご以上の場合も考え方は同じです。
例えばみつごの場合であれば、下記の一卵性〜三卵性まで、3パターンがありえます。
- 同時に3つの卵子が受精して三卵性
- 同時に2つの卵子が受精して、内一つが2つに分裂した二卵性
- 1つの受精卵が3つに分裂した場合(一卵性)
まとめ と おまけ
遺伝情報が同じなのが一卵性であり、一卵性かどうかは胎盤の数だけではわかりません。
二卵性でも兄弟として性別や血液型が同じで、似ている場合もあります。
二卵性ならDDツインですが、胎盤がくっついてMDツインのように見えることも有ります。一卵性はDD、MD、MMツイン全てあり得ます。
これはおまけですが…
一卵性の兄弟も、当事者たちの多くは「自分たちは二卵性」と思っている人が多いそう。当たり前ですが、同じ遺伝子でも、一人、一人、別の人です。一卵性であったとしても、親として一人一人の個性を大切に向き合っていきたいですね。
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