手軽にできる!おうちあそび一覧

いんふぁんとroomさくらんぼ「妊娠期から多胎育児を具体的にイメージ、サポート体制を整える」

京都の双子サークル・多胎サークル

この記事はこんな人にオススメ

  • 多胎サークルを立ち上げたい
  • 多胎支援活動をしたい
  • 多胎支援に興味がある

今回ご紹介するのは、京都府 長岡京市・向日市で活動している一般社団法人いんふぁんとroomさくらんぼ様です。

担当スタッフである双子ママ堀上さんと三つ子ママ小野さんに、活動を始めたきっかけや具体的な活動内容、今後の課題や展望をお伺いしました!※2023年2月インタビュー

今までの多胎ママが立ち上げ運営していた多胎サークル代表者の方のインタビューとは違って、一般社団法人の多胎支援部門の方のインタビューとなります。
仕事としての多胎支援活動はどのように進めているのでしょうか。

あらすじ

Q.活動内容を教えてください

長岡京市を拠点に2006年から、“infant(乳幼児)&ママ”のための子育て支援活動をはじめ、長岡京市と向日市の補助金を受け子育て支援拠点を運営するなど、行政と連携した様々な子育て支援活動を行っています。
多胎児支援は、2014年から団体の重要な課題として取り組んできました。

主な活動内容

  • 二つの支援拠点で『多胎児優先day』を設定
  • 母子手帳を受け取った時点からの三者連携(市・多胎家庭・支援センター)
  • 『ふたごみつご訪問支援おでかけサポート』体制を作り多胎家庭個々のニーズに応じたサポート活動
  • LINEオープンチャットにて交流
  • 月1回zoomでお話し会を開催

Q.活動をはじめたきっかけは?

いんふぁんとroomさくらんぼは系列の保育園も含め、子育て支援の利用者だったママたちがスタッフになり、子育て支援の担い手となるというピアサポート的な循環が出来ている団体です。

そんな中、多胎親スタッフ2名が「多胎児支援をもっと実のあるものにしたい!」と提案したことで、2014年より多胎児支援の充実をさくらんぼの重点課題として取り組むことになりました。
そこで双子親である堀上さんにも声がかかり、3人で多胎支援活動がスタートしました。

しかし活動は順風満帆ではなく、多胎イベントや多胎講習会を開催しても外出のハードルの高さや直前のキャンセルなどもあり、根本から内容を見つめなおす必要が出てきました。
その結果、2017年から子育て支援拠点での月に1度の『多胎児優先day』を設け、リニュアルスタートを切りました。

2019年に三つ子親である小野さんが加入され、前職での知識や経験を活かし、オンラインでの多胎支援がスタートしました。オープンチャットやZOOMを使用したオンライン交流会を開催しています。

三つ子の子育て 多胎児の子育てはヒトを壊す破壊力がある

いんふぁんとroomさくらんぼ 多胎児支援スタッフ・小野 汐里さん

タッグを組んだ堀上さんと小野さんは、まず多胎児支援の在り方を検討する材料として京都府内の未就園児の多胎児を育てる保護者を対象に2020年にアンケート調査を実施し、96件の回答を得ます。

2021年には京都府こどもつながり応援隊事業補助金を利用し、アンケート結果にもとづく「多胎児育児支援の提案」の冊子を作成しました。下記より冊子内容をご覧いただけます(PDF)

ふたご・みつご育児が 楽しめる社会に アンケート結果に基づく多胎児育児支援への提案

2021年(令和3年)2月発行/一般社団法人いんふぁんとroomさくらんぼ

また京都府地域交響プロジェクト交付金を活用し、多胎家庭にむけた訪問支援・お出かけサポートスタート。
多胎妊婦に多胎妊娠出産の情報やプレゼントを届ける、多胎版ベビーボックスの実現に向けて計画中。

多胎親は100組に1組。
人数は少ないですが私たちがピアポーターとして活動することで多胎ママさんが外出するきっかけになると信じています。

Q.多胎親とどのように繋がるか

多胎妊娠時期から繋がる仕組み作り

堀上さん達による働きかけで、長岡京市役所では母子手帳を受け取りにきた多胎親へ、多胎支援サービスについて窓口で紹介していただけるようになりました。

以前は地道な声掛けやチラシ設置などで多胎親の方に向けて発信していましたが、市役所連携やオンラインでの発信に切り替えてから、多くの多胎親の方々と繋がることができるようになりました。
LINE検索からの流入もあり、LINEオープンチャットには現在約70名の登録があります。

オンラインツール「ZOOM」を活用した交流会の運営について

月1回ZOOMでお話し会を開催しています。
多胎だと事前予約などハードルがあるので「参加できる人だけ来てね」「耳だけでの参加もOK!」「チャット参加だけでもOK」とゆる~く開催するように心がけています。

参加者からの開催後アンケートでは、交流会の参加方法に関して「ZOOM(オンライン会議ツール)の操作が難しかった」と答えた方と「操作は簡単だった」と 答えた方が半数ずつの結果となりました。
ただし、「オンラインだと交流しにくいと感じた」と答えた方は0% でした。
オンラインツールを活用した交流の有効性を示す結果が得られたと考えています。

満足度の高かった参加ママたちの声

  • 「もっとたくさんの時間をかけて話してみたいなと思えた」
  • 「またこういった機会があれば、参加したり自分にできる事で協力出来たらいいなと思いました」
  • 「元気が出ました」
  • 「ふたごやみつごの統計の話など、はじめての情報が聞けて良かった。周りに多胎児ママがいるとしれて安心感があった」
  • 「ふたごが小学生になり子育ての集まりも行く機会もなく、 身内(学校や近所)に多胎児がいない為久しぶりに多胎児の育児について振り返ったり、考える時間を持てました」
  • 「大きくなった時にどのような変化があるのかなと思っていたが、先輩ママがドシンと構えていたので、安心できました」

訪問(アウトリーチ)型支援の開始

堀上さんら多胎育児経験のあるスタッフが同意を得たうえで、多胎家庭や多胎妊婦の情報を長岡京市と共有し、多胎支援につなげる連携事業も2021年度よりスタートしています。
いくら人手があっても困らない多胎育児、少しでもママパパの心身の負担を和らげる「訪問(アウトリーチ)型支援」が必要不可欠だと考えています。

Q.ボランティアやスタッフについて

元々2014年より多胎支援活動を始めた段階では多胎ママスタッフ3名でしたが、自分たちも多胎子育てで大変な日々。
当初は多胎親のための講習会やイベント開催しても、駐車場から施設までのちょっとの距離が大変な多胎家庭。
駐車場への送迎付き添いなど人手が開催側も必要でした。
そんなときはいんふぁんとroomさくらんぼの他メンバーが多胎イベントなどを手伝ってくれます。

しかし、双子・三つ子など多胎育児は当事者同士でないと理解しにくい部分があり、多胎育児の経験者である多胎育児の先輩とのつながりは非常に重要となります。
同じ境遇を経験した仲間のことを「ピア」と言います。
多胎育児に励むママ・パパを支援する、多胎育児経験者の「ピアサポーター」の数を増やすべく、研修養成に現在取り組んでいます。

2022年7月にNPO法人ぎふ多胎ネット理事長 糸井川誠子先生、神戸女子大学看護学部 看護学科教授服部律子先生をお招きし、スタッフ・ピアサポーター研修を実施しました。

ピアサポーターの役割と養成について

多胎アンケートでも「多胎育児をする親子の役に立ちたい」という人は98%にものぼり、多くのママたちがピアサポーターになりたいと思っていることが分かります。
この大きな力を活かすことができるかが、その地域の多胎家庭支援の質を左右すると思われます。

京都府内の各地域には、当事者同士が交流するサークルが多数ありますが、こういったサークルに集う人を 「ピアサポーター」へと導くためには、ある程度行政が枠組みを設け、無理のない範囲で「役割」を提示していくことも必要だろうと思います。

多胎育児は、多忙を極めているわけですから、いきなり訪問支援の担い手ということは難しいと思われます。
ピアサポーターは「心の支え」と位置づけ、ぎふ多胎ネットの「マイサポーター制度」のような、ママ一人ひとりに専任ピアサポーターが付き、SNSなどを活用し、 情報提供や相談者として産前から伴走していくということが現実的ではないかと思います。

Q.今後の展望・課題

  • 今後ピアサポーターを増やしていきたい。
  • 多胎家庭訪問支援の事例が増えてきたので、それらを資料にまとめて今後の多胎支援活動に活かしていきたい。

★これから多胎支援をはじめる方へ、メッセージをお願いします!

堀上さん

多胎ママと繋がることが大事。
多胎妊婦さんの時から情報を知る、スタートが大事だと思います。

小野さん

多胎支援活動や多胎サークルの立ち上げなどやってみたいけれど、なかなか難しい部分もあり躊躇される方も多いと思います。
支援には色々な形があり、多胎育児経験者として経験をシェアすることも支援の一つだと思います。
例えば現在サービス提供している多胎オープンチャットでの話になりますが、自分の経験談を伝えることなど、まずは負担の小さな形で関わってみてはどうかなと思います。

Special Thanks!

「いんふぁんとroomさくらんぼ」堀上さん、小野さん、お忙しい中インタビューに応じて下さり、ありがとうございました!

2006年に、虐待により3歳の子が餓死するという事件が起きた長岡京市では、行政と子育て支援団体が「二度と虐待事件は起こさせない」との思いで、民間と行政が連携し虐待のハイリスク家庭への具体的な個別支援の制度ができました。

授乳・寝かしつけ・お風呂とどれを取っても一筋縄ではいかない、双子や三つ子を育てる「多胎育児」。
育児の過酷さから多胎児の虐待死のリスクは一人に比べて2.5~4倍になるという指摘もあります(日本多胎支援協会・2017年調査)。

長岡京市の先進的な支援システム、そして「いんふぁんとroomさくらんぼ」さんが多胎児支援の充実を重点課題として取り組んでくださっていることが一多胎親として大変嬉しく心強く思います。

記事は2023年2月のインタビュー時の内容となりますので、現在ではまた変化があるかもしれません。
これからも皆様の活動を応援しております。
団体の詳細はホームページまたはSNSでもご覧いただけます。

https://cherry-multiple-birth.amebaownd.com/

いんふぁんとroomさくらんぼ
「いんふぁんとroomさくらんぼ」活動の様子
“こんにちは赤ちゃんday”にご参加頂いたプレママさん(現在妊娠6ヶ月)

発足して5年以内の団体様にインタビュー

長く運営されている多胎サークル様には長年の経験をお持ちだと思いますが、今回は発足して出来るだけ新しいサークル様・団体様に焦点を当ててインタビューさせていただきました。
ぜひ他のサークル様のインタビューもご覧ください。

公式LINEでプレゼント企画実施中🎁


友だち追加
タタイマムの公式LINEでは多胎育児家庭向けに常時プレゼントキャンペーンを実施中!
←友だち追加こちらから。
シェアで応援!よろしくお願いします
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

多くの方に「多胎家庭」「多胎支援活動」「多胎サークル」「社会が取り巻く多胎問題」等を知ってもらいたいなと思って記事を作成しています。

多胎育児の大変さや困りごと。
自分で色々活動してみたい時に参考になるような記事に。
インタビューを通じて少しでも多くの方に知ってもらえたら嬉しいです。

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

あらすじ