この記事はこんな人にオススメ
- 多胎サークルを立ち上げたい
- 多胎支援活動をしたい
- 多胎支援に興味がある
今回ご紹介するのは、東京都調布市で活動されている多胎サークル「調布 de ふたご・みつご会 カラフルマイモ」様です。
2022年3月に立ち上げたられた「カラフルマイモ」さん。 サークル名は「カラフル」と「マイモ」という2つの言葉を組み合わせた造語で、和やかな楽しい交流の場になることを願って名付けられました。
現在多胎育児中の3名が中心となって運営しており、サポーターとして社会福祉協議会職員の方々や運営協力委員の方、保育士、地域で子育てに関するボランティア活動をしている方、地域福祉コーディネーター、代表の友人など、多くの方が関わってらっしゃいます。
代表 松野様にサークルを始めたきっかけや、具体的な運営方法、今後の課題や展望を聞きました!
※2022年12月インタビュー
Q.活動内容を教えてください
保育士の方や、地域で活動する方々の協力を得ています
おしゃべり会、ランチ会、お譲り会、家族写真撮影会、季節のイベント等を開催しています。
気軽に参加いただけるよう、あえて会員制はとっておらず、これまで30組近くのご家庭に参加頂きました。
メインのおしゃべり会は毎回3~5組の違った顔ぶれの方々にお集まり頂けており、参加者には多胎妊婦さんや3か月~3歳の双子さんをはじめ、その上の兄弟や保護者などが含まれます。
小学生の双子さんに参加いただいた機会には、異年齢交流を楽しむことができました。
参加者について小さなお子さんが多いとお考えになるかもしれませんが、年齢制限は設けておらず、 就学しているお子さんも大歓迎です。
保護者同士がゆっくり話がしやすい場を提供するため、保育士の方にお子さんの見守りにご協力いただくことがあります。育児に関するちょっとした悩みは参加者同士だけではなく保育士の方にも気兼ねなく相談でき、参加者の方から「スッキリした。参加してよかった」と感想をいただいたことがありました。
また、地域で絵本サロン活動をしている他の団体さんに読み聞かせをしていただいたこともあります。
Q.活動をはじめたきっかけは?
保健師さんからの打診+他の地域で活動する方からの後押しがきっかけに!
多胎児家庭支援事業(移動経費補助)の申請時に保健師との家庭面談で多胎サークルの立ち上げを打診されていました。その約半年後、多摩多胎ネット主催のツインズマーケットに参加した際、立川市と杉並区で多胎サークルを立ち上げた方、ピアサポート活動をしている方とオンライン交流会で知り合いました。
調布市には多胎サークルがなく、世田谷区のふたごの会に参加していることや、復職に伴い平日開催しているその会には参加できなくなることをお話したところ、団体立ち上げを後押ししていただきました。
Q.必要な人材・場所・資金の確保は?
ボランティアやサポーターさんについて
当日のボランティアの方や、サポートしてくれるメンバーを集めるために、社会福祉協議会へ相談したり、個人的な心あたりの方へ個別にお声けしたり、数年前まで調布市内で活動していた多胎サークルのグループLINEに支援依頼の発信をしています。
活動場所について
はじめに社会福祉協議会へ相談しました。
活動拠点である調布市市民活動支援センターあくろすの他、プレイセンター調布、子育てカフェaona、ぷくぷく・ポレポレの家などで活動しています。
資金について
年会費など定期的な収入はなく、サークルとしての単発収入企画や多胎育児経験に関する講演料などで得ました。
また、お譲り会であまった子ども服や育児用品を地域で開催されるフリーマーケットに出品して活動資金として活用することも考えています。
サークルを知ってもらうために
サークルを広めるための取り組みとして、市の健康推進課と協力関係を築くための打ち合わせを行いました。
その結果、多胎妊婦さんへの母子手帳交付時にサークルのチラシを手渡してもらうなど、広報にご協力いただけることになりました。市が主催するふたご・みつごの会などでもサークルを紹介していただいています。
Web上では、公式HPやInstagram、調布市のポータルサイト「コサイト」への情報掲載、市民活動支援センターのサイト「ちょみっと」にも地域の居場所として情報を掲載しています。
また、友人経由で地域の助産師会にも団体の存在を知らせてもらいました。
Q.運営で心がけていること
様々な年齢の子がいても安心できるよう、安全に気を配っています
幅広い年齢の子どもたちが参加しやすい環境を整えるようにしています。ねんねの赤ちゃんから動き回るお子さんまで、どの子どもたちも安心・安全に過ごせるよう、段ボールを使った手作りついたてなどの工夫をしています。
また運営側でいえば、それぞれの得意領域が活かせるようにしたいと思っています。
運営の負担を減らすための工夫
おしゃべり会の運営を交代制にしました。
毎月第4土曜日に開催していたのを、偶数月の第4土曜日+奇数月の第3火曜日に変更し、平日にも開催できるようになりました。1名で運営していたものを、2名体制で運営することで負担を分散させる予定です。
代表は交代制?運営に関するノウハウはどこで得てる?
立ち上げ時から代表はかわっておらず、現時点では交代の予定はありません。
ただ、子どもたちが成長していくにつれて多胎妊娠・出産・育児真っ只中の情報は薄れていくので、一番お忙しいと思いますが、現役の方が会をひっぱって頂いた方がいいのかな、と思います。
運営ノウハウについては、関東多胎ネットに登録し、サークル代表者のオンライン交流会やグループLINEで情報交換させてもらっています。
Q.活動していて良かったと思える瞬間
参加された皆様に嬉しいお声がけをされた時
「サークルがあってよかった」
「交流の場にすくわれた」
とお声がけを頂くときはやっていてよかったと思います。
調布市転入前に団体をWeb検索していただき、転入後すぐイベントに参加いただけたことも嬉しかったです。
SNSやオンラインでの交流も便利にできる現在に、「近くでリアルな交流ができる場」への需要はあるのだろうかと立ち上げ当初は心配がありました。初めておしゃべり会を開催する時、集まってもらえるのか不安だったことを思い出します。
今では、地域の多胎家庭の方々から必要とされ、「孤育て」を防ぐ一助となる活動になっていると信じています。
Q.今度の展望・課題
参加したいときに参加できる交流の場を継続させること
参加したいときに参加できる多胎家庭交流の場が、地域に継続することが一番大事だと思っています。
それには人・場所・資金を整えなければと思っていますが、なかなか難しい課題です。
人については、立ち上げ時は私1人だけでしたが、活動に共感してくださる方が少しずつ増えていることはとても嬉しいです。
場所については、立ち上げ期ということもあり優遇していただいたこともありましたが、今後はまた難しくなる可能性があります。
資金については、どのように集めるか迷うところですが、多胎児家庭同士の交流に加えて、参加してみたいと思える魅力的な企画が必要であると感じています。1人では実現できないことが協力して形になっていく喜びにふれたことから、周囲の新しいアイディアも積極的に取り入れたいと考えています。
これから多胎支援をはじめる方へ、メッセージをお願いします!
一歩踏み出してみて初めてわかったことが沢山あります
地域には多くの方々が想いをもって活動しており、サークルの活動に伴走してくださる方がいることも、一歩踏み出してみて初めてわかりました。
ぜひご経験をいかして、多胎家庭同士が繋がれる場作りを一緒にしていきませんか?
多胎育児をしていく上で、地域での緩やかな繋がりやピアの存在はとても心強いと思います。
Special Thanks!
松野様、お忙しい中インタビューに応じて下さり、ありがとうございました!
多胎サークルは、多胎育児をしている母親がボランティアで立ち上げて運営することがほとんどなので、サークル運営者の子育てがひと段落すると、サークルが自然消滅してしまうという実態があり、組織の継続が難しい点があります。
カラフルマイモさんはその点を考慮して、多胎家庭交流の場を地域で存続するために「地域の繋がりを作る」ことを重要視されて、取り組んで活動されています。
取り組み例としては地域の社会福祉協議会との繋がりです。
社会福祉協議会では、地域活動団体等のネットワークづくりと自主的な活動を支援し、地域全体で温かく包み込むような支援(社会的包摂)の実現を図る取り組みを行っています。
多胎サークルの立ち上げ自体は簡単でも、それを継続するのは難しい部分や初めてのことで戸惑う方も多くいると思います。そんな時はぜひ地域の社会福祉協議会や多胎サークルや多胎支援団体に相談したり、こちらのインタビューをご参考になさってください。
皆様の活動をこれからも応援しています。
※こちらの回答は2022年12月に頂いた内容となりますので、現在ではまた変化があるかもしれません。
最新の情報につきましては下記サークルHPをご確認ください。
調布 de ふたご・みつご会 カラフルマイモ
発足して5年以内のサークル様にインタビュー
長く運営されている多胎サークル様には長年の経験をお持ちだと思いますが、今回は発足して出来るだけ新しいサークル様に焦点を当ててインタビューさせていただきました。
ぜひ他のサークル様のインタビューもご覧ください。
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