「子育てしながら働きたい!」という人の多くが経験する保活(=子どもを保育園などに入れるために保護者が行う活動)。
条件やシステムが地域によって大きく異なりますが、双子や多胎児の保活で気にかけたいポイントや、別の園になってしまった時についての情報についてまとめました。
「認可保育園」と「認可外保育園」の違いを知る
まずは、認可保育園と認可外保育園の違いです。
認可保育園とは
〝認可保育園〟とは、児童福祉法に基づき都道府県や政令指定都市等が認可した施設のこと。
認可される基準には、子の人数に合わせた保育士の人数や施設面積をはじめ、給食調理施設の有無や、屋外園庭の広さ等も含まれています。
認可保育園は役所で申し込み、役所で〝保育が必要な人〟から優先的に保育園を割り当ててもらいます。
この〝保育が必要な人〟とは、保護者が仕事をしないと生活ができない人(生活保護受給者や低所得、シングルファーザーやシングルマザー)が最優先となることが多いようです。役所に問い合わせると要項などを貰うことができ、その中に保育の必要度を測定する点数が書かれています。
0〜2歳児クラスの保育料は所得に応じて決められることが多く、どの保育園を選んでも基本的な保育料は変わりません。3歳以上の保育料は幼保無償化により、基本無料ですが、給食費や教材費、制服代その他の費用がかかる場合があるので、保育園ごとに確認が必要です。
認可外保育園とは
一方〝認可外保育園〟とは認可されていない保育園の総称です。
認可されない理由の中には、園庭がない・園に調理設備がない(お弁当持参や、給食会社に外注等)といった様々な理由があります。
特に都市部では、園庭のない園が多いですが、それぞれの都市で独自に「近くに公園があれば良い」といった基準を設けて〝認証保育園〟や〝認定保育所〟などと呼ばれている施設もあります。
他にも(一般的な厚生労働省ではなく)内閣府が主体となって保育園の設置を進めている〝企業主導型保育園〟というのも、認可外保育園の種類の一つです。
認可外の保育園は、住んでいる自治体の保育園でなくても通うことが容易です。
保護者が保育園に直接申し込み、保育園から入園許可が下りれば入ることができます。
保育料は園ごとにことなり、入園のタイミング等も園ごとに異なります。
認可外保育園の方が、預かり時間やカリキュラムも園独自の色を出しやすいため、認可の基準を満たしていても認可をとらない園もあります。
- 英語だけで保育して欲しい
- 給食は地産地消で採れたてのものを 等
上記のようなスペシャルニーズがあれば、認可外園で探した方が見つかるでしょう。
認可外でも、認証保育園や内閣府認定保育園など…外部監査の入る園なら安心度が高い◎園に問い合わせをする時には「外部監査が入るかどうか」を聞くのもgood!
保活スタート!まずは、要項をGet!!
役所の保育課や、ホームページで保育園の募集要項を手に入れましょう。
要項には下記のような、保活に必要な情報がまとまっています。
- 地域の認可保育園の場所や案内
- 保育園決定までの流れ
- 点数の算出方法について
- 申込期間や申込方法
- 必要な書類 など
役所発行の要項には認可外保育園は記載されていないことが多いので、認可外も検討される方はインターネット検索や、近場を散歩して探してみるのも一つの手です。
役所や子育て支援センターに〝保育コンシェルジュ〟を設置している地域もあったり、要項には掲載がなくても「認可外保育施設の情報はありますか?」と聞くとリストをくれる自治体もあるようです。
役所へ行く場合
役所に行くタイミングはいつでもOK!
とはいえ公的機関ですので、4月はバタバタしています。人事の入れ替わりがあったりするので、せっかく話を聞きに行っても詳しいことを知らない人に当たってしまうこともあります。
説明を聞くのに、産前産後は関係ないので多胎ママは出産前に行くことを強くお勧めします。
産後は子どもを預ける場所がなかなか確保できないのが現状です。
子連れで話を聞きに行っても、赤ちゃんが泣きだしたらゆっくり聞けないですし、授乳や昼寝のタイミングなど調整する必要があるので、なるべく早めに役所で話を聞くのがオススメです。
役所に要項をもらいに行く場合は、自分の復職希望する年月(預けはじめたい時期)について希望を伝えると、それにあわせた案内をしてもらいやすいです◎
要項でチェックすべきポイント
要項は保活のマストアイテムなので、大切にしましょう!
これから保活をすすめるために、特にチェックすべきポイントは下記の通りです。
- 保育園の場所とアクセス
- 申込方法と期間
- 点数の算出方法について
- 各施設毎の待機人数
では詳しくみていきましょう。
保育園の場所とアクセス
自宅→保育園、保育園→職場へのアクセスを確認しましょう。
移動時間も貴重です。近いに越したことはありませんが、雨の日なども想定しながら慎重に検討しまししょう。
例えば、車移動がメインの方は、一番近い駐車場のない園よりも、少し先の駐車場のある園の方が良いかもしれません。更に、お子様の人数や年齢によっては、駐車場から保育園の入り口までの導線が短い園の方が良いかもしれません。(たとえ短距離でも子どもたちの荷物を持って、抱っこor手をつないでの移動はとても大変です!)
徒歩で通園する場合にも、双子ベビーカーでスイスイ通れる道の方がベター。保育園に双子ベビーカーを置いたまま通勤できるかどうかの確認も必要かもしれませんね。
申込方法と期間
申し込みに必要な書類には、職場に記載をお願いするものもあります。
事前に分かっていると焦らなくて済みます。
また、一番入りやすい4月入園の申込は前年の秋頃に申し込みを締め切る自治体が多いので早めに確認しておきましょう。
自分の点数
仕事の勤務時間や、兄弟の有無、家族構成などで変わってきます。多胎加点がある地域もありますので、ありがたく頂きましょう。
待機期間が長ければ長いほど点数も増える自治体がほとんどです。復帰希望年月に遅れないよう、早めに待機する人もいますが、もし通ってしまったら早めに復帰しなければならないというジレンマもあります。
多胎児や兄弟児がかならず同じタイミングで同じ園に入れるわけではないというのも、多胎ママにとっては頭の痛い問題です。
各施設毎の待機人数
現時点での、施設・学年毎の待機人数を確認しましょう。これは要項に乗っていない場合もありますがホームページで公開している自治体も多く、役所に問い合わせれば教えてもらえます。
入りやすさの目安になるでしょう。
このあたりを確認しながら、保育園をピックアップしましょう。
(自治体によっては第10希望まで記載するところもあります)
ピックアップした保育園までお散歩するのもいいです。外から様子が見られたり、子どもを連れていくイメージがしやすいと思います。
次のステップは、いよいよ見学です!
保育園見学
見学については、直接保育園に電話して申込む自治体が多いと思います。
これも出産前に行くことができるととても楽です。(とはいえ、多胎妊婦はハイリスクなので、体調と相談して参加してください)
流れは、下記の通りです。
お昼過ぎ頃が、園の先生がゆっくり電話できるタイミング!
希望する保育園はなるべく見学しておけると良いですね!なかには「見学必須」としている園もあります。
コロナ渦の保育園見学
現在コロナの影響で保育園見学を行っていない、もしくは縮小している園も多いと思います。
園生活の一部始終ではありますが、園庭を覗いたり、お散歩の様子を見てみても良いかもしれません。
子どもたちが楽しそうか、活動中の先生達の動き(死角がないか、滑り台の下などの危険が予測される場所への対応等)や声かけを見るだけでも違いを感じると思います。
見学ができない場合は具体的な質問は、電話で問い合わせを行うか、ホームページがある園であればホームページ上のお問い合わせフォームorメールアドレスに質問を送っても良いと思います。
園からの返信または、先生がちゃんと答えられる時間帯に園から電話をもらえると思います。
先生達は日々、たくさんの保護者の方とやりとりしているので、聞きたいことは事前にまとめておくとスムーズです。
確認しておくと良いポイントは下記を参考にしてください。
保育園見学で確認しておきたいこと
- 保育料以外の費用
- 準備するもの
- 実際に通うことになった時の送迎方法
- 保育理念や教育課程
- 父母会や親の行事参加の頻度
- その他、園や希望に応じて
保育料以外の費用
給食費がいくらか、その他保育料以外にかかる費用について確認しておくと安心。
準備物について
入園した場合に準備・購入するものと、毎日の持ち物、毎週の持ち物を確認しましょう。
同じ地域の認可保育園でも、園によって制服や体操着の有無が異なります。
学年毎の指定カラー帽子を用意する園が多いと思いますが、毎年購入する園もあれば、卒園まで同じカラー帽子の園や、購入せず園から貸し出す場合など様々です。
特にチェックしたいのは、毎週マイ布団を持参する必要があるかどうか、オムツの持参について(1枚1枚に記名が必要かどうか)です。
マイ布団は通園グッズのなかでも、かさばるものの一つ。子どもたちの分を持ち運ぶのは、例え園の入り口から駐車場までの近距離でも大変です!(お布団だけでなく、他の荷物や、子どもたちを抱っこor手をつないでの移動)
お昼寝用のコットを使用している園や、お布団は園の物を使用してシーツだけ持参としている園もありますよ。
オムツの記名も1枚1枚にしなければならない園よりは、1袋に記名でOKという園や〝手ぶら登園〟等のサービスを取り入れている園もあるので、毎日の通園準備の手間がより少ない方が忙しいママ・パパにはありがたいですね!
その他、年齢が上がってくるとのり・はさみ・クレヨンなどの基本的な文房具を用意する園は多いです。他にもカリキュラムによって鍵盤ハーモニカを用意したり、クッキング用のエプロンセットが必要な園など様々です。
入園してからの確認でも構いませんが、購入する物については園でまとめて園指定の物を購入するのか、各自で準備するのか、手作りする必要があるかどうかも確認しておきたい方は聞いておくと良いでしょう。
キャラクターものの可否もききました。ダメであれば、今後服など買い足す時になるべく選ばないようにすることができます。
実際に通うことになった時の送迎方法
実際に通うことになった時のことを想定して、園内のどこで先生に引き渡すのか確認しましょう。
例えば、2階の保育室まで子ども&荷物を送り届けなければならない場合、どこにベビーカーを停めて良いのか?2人以上同時に抱っこして階段を登るのはは危ないので、先生の手を貸してもらうことはできるのかどうか?等、確認しておきましょう。
一番のオススメは、保育園のドアや門の内側に双子ベビーカーで入れるスペースがあり、玄関で引き渡しできる園だと、安全かつスムーズです
教育方針・内容について
保育園でも○○式などの教育メソッドを取り入れていた、しっかりした教育カリキュラムを実施している園があったり、モンテッソーリや、リトミックを取り入れている園や、地域の教育機関と連携して園から習い事に通えるサービスを実施している園もあります。
自然派育児!と裸足で遊ぶ園もありますし、キリスト教やカトリック教に寄った教育をする園もあります。園ごとの特色を確認しましょう。
父母会や親の行事参加の頻度
自宅で保育が難しいから預けているのに、行事の参加があまりにも多いと仕事に支障が出ますね。
なので、参加する行事が大体どの時期にあるのか、仕事の繁忙期を重なっていないか確認するとよいです。もちろんかわいい子供たちが園で過ごす姿を見に行くことが出来たりするので、多い方がいいわ!!という方もそこをチェックするといいでしょう。
保育園でもPTAや父母会活動がある場合があります。活動の有無や、活動頻度や内容についても合わせて確認しましょう。
卒園後の進路について
特に0歳児クラス〜2歳児クラスまでの小規模園の場合には、卒園後の進路についても事前に聞いておきましょう。
近くの保育園に入園することもあれば、預かりのある幼稚園・こども園に入園することもあると思います。実績を聞いておくと小学校入学までのイメージを持ちやすいと思います。
地域により、新規園の設立が毎年のように行われているところもあると思います。新規園は多胎児にとって同じ園に入園しやすいチャンスですが、見学できないのは不安ですよね。
園にもよりますが、同じ会社が運営する系列園があることも多いので、そちらを見学すると園の雰囲気の参考になると思います。
希望の園を選ぶポイント
- アクセスの良さ
- 荷物の量
- 保育理念・教育方針・園の雰囲気
- 入れるかどうか
アクセスの良さ
近いにこしたことはありませんが、近さだけでなく自分の移動手段に合わせて雨の日や荷物の多い月曜日を想定してアクセスの良い園がオススメです。
また、園までのアクセスだけでなく自転車置き場からの導線など、低年齢で預けるのであれば、なおさら抱っこしていくことになるので気になるところです。
荷物の量
双子であれば、2人子どもを抱えていくわけですから、荷物が少ないに越したことはありません。
毎日×子どもの人数分準備する必要があるので、毎日の荷物が少ないほど準備の手間は省けます。
特にマイ布団持参の場合は、子どもたちを抱っこしながらお布団を何セットを持つことはできないので、例えば、園にお迎えに行った時には、先に車にお布団を積んでから子ども達を引き渡してもらうといった対応も必要になるかもしれません。
\1人1つ必要なものもあれば/
\みんなで1つで良いものも/
入園が決まったら、事前に園と相談してなるべく荷物を少なくすることも可能です!(↓三つ子ママの経験談)
園の雰囲気や方針
それぞれの園の保育理念や、教育方針、雰囲気が合っているかどうかもとても重要なポイントです。
通園している子どもたちの表情や、先生たちは働きやすそうか、なども参考になるでしょう。
入れるかどうか
多胎なので、なるべく同じ園に通いたいですよね。しかし、そうもいかない場合もあります。
双子でバラバラにならないためにも確認しておきたいのが入園できる人数です。
例えば1才児クラスで入れたい場合。0才児クラスが何人いるのか、そして1才児クラスは何人なのか聞きます。
具体的に言うと、0才児クラスが6人定員で1才児クラスも6人定員だと1才児クラスに0才児が上がると定員になってしまいます。
つまり申し込んでも入れないという状況になります。
この差が大きければ枠も多くなりますので入りやすくなりますね。(あくまでも点数ありきなので、必ず同じ園になるという訳ではないです)
別々になった場合にも送迎しやすいように「通勤で使う駅の西側」などと希望エリアを近くしておくのも良いかもしれません。
その他・先輩多胎ママからのアドバイス
保健師さんに相談
多胎児の保活では保健師さんに相談するのも1つの手です。
私の場合、保育課では「双子の同園同時入園は絶望的に無理」と言われ、保健師さんに「自宅で双子を見るのは心身共に無理」と相談。
保健師的に入園の必要性が高いことを訴えてもらい、空き枠を探して下さったり、2人入園できるよう動いて下さいました。
保健師さん個人の采配に依存するところがあり、必ずしも同じように話が進むわけではないと思いますが、困った時の選択肢の1つとして覚えておきたいですね。
まとめ
基本的には点数ありきですが「どうしても同じ園にして欲しい」と主張しておいて損はないはず!
別々の園に入園することになっても、多胎児は目立つのでスグに先生や保護者が「多胎児なのに別々の園なのね」と気づいてくれ、先生が保育課に優先的に転園させてもらえるように口添えをしてくれたり、兄弟で別々の園に通わせていた他の親御さんが気づいて、交替できるようにしてくれたという体験談も紹介しています。
かわいい我が子を預ける場ですので、自分の目で見て入れたい園を見つけられるといいですね。
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