二卵性みつごの女の子と、お兄ちゃん。4児母のりなです。
よく「三つ子ちゃんの育児、何が一番大変?」と聞かれるのですが、私にとっては「妊娠中が一番大変」でした。
何度も「3人全員を産んであげられないかも」と苦しんだり、「どんな形であれ、私の元に来てくれた命に感謝しよう」と覚悟を決めたり…
誰か一人でも無事に生まれて来てくれたら、心から「おめでとう!」と言ってもらいたくて、三つ子を妊娠したことは友人にも、ほとんど話せませんでした。
結果的には、…本当に結果オーライで元気な三つ子ちゃんを出産し、毎日楽しく過ごしていますが、2年半が過ぎた今も「良い思い出」とは振り返れない辛い時期です。
当時の私のように、同じような経験をされている方をネットで探しては安堵している方の気持ちに寄り添えれば…と思い私の三つ子妊娠・出産経験をまとめました。
第一回は、三つ子妊娠前〜“三つ子”を受け入れられたときまでの話です。
三つ子妊娠発覚前
長男出産後、年子での妊娠を希望していましたが、第二子の妊娠を希望してから1年後に妊娠初期の化学流産を経験。流産後、一度生理を見送った後に自然妊娠したのが三つ子でした。
妊娠5週5日。胎嚢を一つ確認
自然流産後、一度生理を見送ってからスグの妊娠でした。こんなにスグ授かれるとは思わず、嬉しいよりも、ビックリの方が大きかったです。
初受診は妊娠5週5日。流産した際に「子宮外妊娠」についての知識も得ていたので、早めに受診しました。
特に根拠はなかったのですが…「双子かも!」という希望的観測はありました。
初回の内診エコーで、胎嚢(=赤ちゃんの包んでいる袋)を確認。
まだ赤ちゃんは確認できませんでした。この時確認したのは胎嚢の数は1つ。
先生に「おめでとうございます!」と言われたのが凄く新鮮でした。(流産の時は、一度も言われなかったので)「今回は大丈夫そうですよ!」とお墨付きももらって、凄くほっとしました♩
新しい命を授かった…というよりは「前回流産してしまった子が帰ってきてくれた!」という気持ちでした。
妊娠6週頃。ツワリに苦しむ
幸せな妊娠発覚から2、3日後。自分には無縁だと思っていた、悪阻症状が出ていることを認めざる負えないくらい感じはじめました。
長男の時もツワリというツワリはほとんどなく、親戚の女性群もツワリを経験したことのない人が多かったので、ツワリ症状の出ない家系だと思っていました。
薄々気づいてはいましたが…しばらくは認められなくて…症状はこんな感じでした↓
- お気に入りの柔軟剤の香りで嘔吐
- お風呂前後の気温の変化で嘔吐
- 料理番組で嘔吐
- レストランの看板で嘔吐
- ほぼトイレに引きこもり
- トイトレ中だった長男が、トイレで嘔吐する真似をするほどでした…(^^;
食べるのはもちろん、料理も嫌でたまらず…。夫は家事が行き届いていなくても気にならないタイプだったので、家事は自分で割り切って適当に…。長男と一緒にお昼寝したりしながら、なんとか過ごしました。
妊娠8週0日。三つ子妊娠発覚
2回目の産科受診日。
なんとなく(ツワリが重かったし…?)「双子でしょ!」と思っていたら、内診エコーをしてすぐに、素人目にも2人の赤ちゃんを見つけてビックリしました!
ずっと双子に憧れていたし、かねてから「子どもは3人欲しいけど…妊娠出産育児期間を凝縮して早めに社会復帰したい」と考えていたので、胸が高鳴りました!♡
その後先生は、別の場所にもエコーをあてて「自然妊娠だよね?すごい確率だなぁ~。三つ子です」と…!!別の場所にいるもう1人も見せてもらって「三つ子?!こんなことってあるの?!」と、ただただ驚きでした。
単胎妊娠では起こり得ない多胎妊娠だからこそのリスクが多くあり、そのリスクを測る上で初期の“膜性診断”がとても重要だと説明を受け、この時の検診で膜性診断をしてもらいました。
↓膜性診断についてはこちら
診断は「2絨毛膜3羊膜性品胎」。MDツインともう1人の兄弟を同時に妊娠したというイメージです。
それぞれの子の様子を診ていく為に、胎盤を共有する2人をそれぞれ Aちゃん、Bちゃん、もう1つの胎盤にいる子をCちゃんと呼ぶことにしました。
三つ子の妊娠が発覚した、この時既にCちゃんは発育遅延で、他の子に比べて小さく「Cちゃんは、このまま消滅して1絨毛膜2羊膜性双胎の双子ちゃん(通称MD双胎)の出産になるでしょう」「母子手帳は2冊もらってきて下さい」と言われました。
寂しい気持ちになりましたが、1人の時とは違い“流産する”(体外に流れ出てくる)わけではなく、残された二人に吸収されると知り、なんとなくCちゃんの命は繋がっていくような気がして救われた気持ちになりました。
2週間後に再診の予約を取り、帰路につきながら「自分の体で、命4人分運んでいる」と思ったら怖くなりました。
帰宅し、家族や親戚に報告。前回の流産時にきちんと確認できなかった赤ちゃん(胎芽)と赤ちゃんの心拍を確認できたことにみんな安心して、喜んでくれました!また親戚に双子や三つ子はいなかったので、みんな驚いていました。私も凄く驚いたし、嬉しかったです!ただ、エコーで小さいながらも一生懸命心臓を動かしてたCちゃんのことが気になりました。
あんなに頑張って今、生きてるのに…
一方で「現実的に双子かな!」と三つ子よりも双子であって欲しいと思っている自分もいました。
三つ子じゃ、手もおっぱいも足りない。三つ子を育てる想像もつかない。もともと子どもは3人と思っていたし…経済的にも不安。
Cちゃんが居なくなるのは寂しいけど、2人に吸収されて2人の中で生きていくと思えばね…と、「Cちゃんが吸収されても、それはそれで良い!」という気持ちは日に日に大きくなって行きました。
妊娠10週3日。三つ子妊娠のリスクを知る
妊娠9週頃、急にツワリが落ち着いてきました。(とは言っても、嘔吐の回数が減ったり、久しぶりに料理ができたくらいですが…当時の自分にとっては不思議なくらい「今日、すごく動ける!!」という感覚でした)
ツワリって、こんな急に良くなるのかな?
もしかして…Cちゃんが吸収されて、胎盤が一つなくなったから症状が軽くなったのかな…?
ドキドキしながら次の検診までの日々を過ごしました。
妊娠10週3日。3回目の検診の日。Cちゃん吸収されることなく、生きていました!!相変わらず他の二人より小さかったのですが、先生も「頑張ってるね」と言ってくれ、「まだ、この子が消滅してしまう可能性はあると思うけど…」と前置きをしたうえで三人産めた場合のリスクについて話を聞きました。
三つ子妊娠のリスク
- 三つ子だった場合この産院では産めない
MM・MD双胎の出産までは扱っている産院でした - 多胎妊娠に安定期は無い
- 三つ子の平均出産週数は32週で、ほとんどの子が未熟児で産まれてくると思って良い
- NICUのある病院で出産するべき
- 経膣分娩という選択肢はほぼ無い。正期産での出産もほぼ無い
- 切迫症状もほとんどの三つ子妊婦がなるので事前に管理入院することになる。平均で24週頃~
- 管理入院中の早産予防のお薬は副作用があり、辛いだろう
- 早産予防の為に2ヶ月以内に子宮の入り口を縛る手術をすることになるだろう
- NICUは常に満床で3人が同じ病院のNICUに入れる保証はない。
少しでも考慮してもらうためにも(出産間際や直後に突然搬送されてくるのではなく)早い内からNICUのある周産期センターに通っておくことが重要
どれも、なんとなく知っていたけれど、改めて自分に突きつけられるとショックなことばかりでした。
2週間後に再診の予約を取り、その時Cちゃんが頑張って生きててくれたなら3人産む気で周産期センターに転院することに。
近くの周産期センターの候補を挙げてもらい転院先の目処をつけてくるよう、宿題を出されました。
エコーでCちゃんの心臓が動いているのを見た時は「三つ子で居てくれた…!!ありがとう…!!」胸が熱くなるくらい、嬉しい気持ちでした。
それなのに、リスクの話を聞いた後は、Cちゃんが元気でいてくれて本当に良かったけど…双子と三つ子の厚い壁を感じて凄く不安になりました。(もちろん単胎でも双子でも、妊娠出産で苦労する人はたくさん居るのだけれど)
Cちゃんの命が続いてくれたことを心の底から喜べていない自分が凄く嫌でした。
マタニティーブルー
多胎妊娠の大変さをちゃんと理解していなかった私は、当時まだ2才なったばかりの長男と週3の親子スイミングにも通っていました。ツワリは辛かったのですが、おでかけもよく行っていました(管理入院もあるし、産後は動けないだろうと、ここぞとばかりに外出していました)その結果、私も長男も体調を崩してしまうこともありました。
無理しないように…体調に気を遣い始めるとなかなか外出できずに、1日中家に引きこもってしまう日も…。
遊びたい盛りの長男に、とても申し訳ない気持ちになりました。
やりたいこと、できないこと、しない方がいいこと、でも、やってあげたいこと…色々上手くいかなくて、すっかりマタニティブルーに。妊婦としても、一児の母としても自信が持てませんでした。
12週2日。“三つ子”を受け入れられたとき
妊娠4ヶ月。12週2日。4回目の産婦人科受診。
Cちゃんが吸収されていなかったらNICUのある大きな病院へ転院。吸収されていたら、このままこの産院で様子見。そんなドキドキの検診日です。
Cちゃん…生きていました!!
嬉しい!より、誇らしい!こんなに強くて逞しい子が私を選んで来てくれたなんて…!
『現実的に、双子がいい…』『Cちゃんが吸収されて、双子になってもそれはそれで良い』と少なからず思っていた私。
“三つ子”の事実を受け入れるのに時間がかかってしまいましたが…
前回の検診から2週間の間にCちゃんが吸収されていたとしても、生きていたとしても、どちらでも受け止めると覚悟を決めることができました。
この検診のエコーでCちゃんの逞しく生きる姿を見て「どうせ居なくなってしまうなら吸収されてくれ〜」とかCちゃんの命から逃げない!どんな難儀な結果、悲しい結末が待っているとしてもこの子の命を受け止めるんだ。そう強く思えた時でした。エコーを見ながら小さいくても懸命に生きているCちゃんの姿を見て、母としてこの子を愛しているんだということにも気がつきました。
“三つ子妊娠”という事実をようやく受け止めてお腹に居る3人の子どもたちへの愛情をしっかり確認できたときでした。
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