3歳双子ママのお悩み
3歳の女の子の一卵性双子のうち一方だけ、どもるようになりました。同じように育ててきたつもりでも、一方にだけ接し方が悪かったのか?と自分の育児に自信が持てません。症状も、自然に治ったと思っていたら、またひどくなってしまいました
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくね!」など、子どものどもりは珍しいことではありません。
しかし、いざ我が子がどもってしまうと「精神的に不安があるんじゃないか?」と感じたり、一卵性双子のうち一方が…となると、親の接し方にひいきがあったのでは…と感じることがあるかもしれません。
今回は小児科専門医の藤田先生に、多胎児のどもり=吃音(きつおん)について相談しました。
どもり=吃音(きつおん)とは?
「どもり」のことを「吃音(きつおん)」といいます。
吃音は2〜4歳の約5%に発症し、子どもではよくみられます。
話し言葉が滑らかに出なくなることがあり、症状には3つのタイプがあります。
3種類の吃音症状
- 〈連発〉音をくりかえす
(例)「わ、わ、わたし」 - 〈伸発〉引き伸ばし
(例)「わーーたし」 - 〈難発〉言葉がでずに間があく
(例)「・・・・わ たし」
吃音症状には波がある
吃音症状には波があり、症状がひどくなる時期や、ほとんど出ない時期があります。同じ言葉でも言える時と言えない時があります。
「自然に治った」と思ったのに、また症状がでると「何がいけなかったんだろう…」と感じるかもしれませんが、吃音とはそういうものです。
吃音(どもり)はなぜ、おこるの?
吃音(どもり)は、子どもの急激な言語発達の頃、たまたま生じる副産物と言われています。
頭の回転が早いために、口がついてこずに発症するというデータもあるそうです。何かがきっかけで症状が現れたと感じることもありますが、育て方が原因で吃音になるわではありませんので、自責の念に追い詰められないで下さい。また、吃音に限りませんが、一卵性双胎でも違う人間なので病気や症状の出方は異なります。
吃音(どもり)は治る?
発症してから3年以内に自然に治る確率は、男の子で6割、女の子で8割ほどです。半数以上の子は小学校入学前に治ります。
一方で3年以上続く吃音は簡単にはなくならず、成人の吃音は1%ほどと言われています。一時的に症状を減らす方法はありますが、努力や訓練で根本的に治せるわけではありません。
吃音(どもり)への正しい対応
子どもの話したい気持ちを奪わないことが重要です。
知らないと、ついやってしまうことかもしれませんが、言いにくそうにしている姿を見て、先回りして言葉を補ったり、「ゆっくり話そう」などのアドバイスは逆効果です。アドバイスが回復を早めるわけではなく、その話し方ではダメと子どもに感じさせてしまうからです。話し方に注目するのではなく、話をゆっくり聞いて、その内容に注目するのが良い対応です。
聞き手の反応が子の話す意欲に影響します。まずは親が「誰にでも癖はある」「どもってもいい」「そのままでいいよ」と思えることが大切です。
参考文献・子どもの吃音(どもり)への対応を知るためのオススメ本
自身も吃音のドクターである菊池良和 先生の本はとても分かりやすくおすすめです。周囲に吃音を理解してもらうため、園や学校の先生への正しい対応を伝えるために渡せる説明書がついていたり、吃音の子に寄り添った内容になっています。
吃音の入門書として、最初に読むのにおすすめ
イラスト図解で分かりやすい、吃音を受け入れて対応していくのに役立つ1冊
コメント